全国児童相談所における児童虐待相談対応件数は、2020年度においては約20万5千件と急増しています。特に東京都においては急激な増加傾向にあり、都内の児童相談所における虐待相談対応件数は約2万6千件となっています。体罰などによる暴力のみならず、心理的・精神的な虐待とされる事案が急増し、命を奪われてしまう悲しい事案も多く、大きな危機感を感じています。 さらに新型コロナウイルス感染症による感染拡大により、保育所、学校などが休園休校となり児童育成システムに大きな支障をもたらしました。そのことで家庭内での子育てへの負担が大きくなり、家庭家族機能が脆弱化していることも明らかになってきました。 家族のあり方も支援のあり方も、皆で考えていく時期に来ていることは明らかです。 さらに、ヤングケアラー問題なども大きな課題となり、各区市の子ども家庭支援センターの相談対応件数も急激に増加し、要支援家庭が急増しています。このような状況の中、子どもへの支援は寄り添いだけではなく、心のケアも含めた心理的な支援が必要不可欠となっています。 心理職の方々の役割はますます大きくなり、同時に、多角的支援のための各職種・機関による連携なくしては成果を上げることはできないと考えます。 本書は、施設心理職としてさらに経験を積み、施設内での協働をさらに有効に行えるよう実践をわかりやすくまとめたものです。 施設長をはじめすべての職員の皆様に読んでいただき、よりよい支援に向けての一助になればと思います。
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