超高齢社会の到来や障害者の地域生活移行の中で、地域社会で暮らす高齢者や障害者が増えています。このことは、一人の生活者(消費者)として、外出や買い物を始めとしたさまざまな社会・経済活動へ積極的に参加していくことを意味します。本会では、新たな取組みとして、「企業社員(従業員)や都民に対する福祉基礎講習」を実施することとなりました。これは、高齢者や障害者に対して、市民が街の中でサポートしたり、接客業(企業・店舗)を中心とした従業員が、接客・接遇を行う際に理解しておくべきことを学ぶことを目的としています。本書は、講習会の参考図書として、以下の点を目的に作成いたしました。 (1)誰もが安心して暮らすことのできるまちづくりのため、市民として共に地域で暮らすことの考え方を学ぶ。 (2)高齢者、障害者等を接客・接遇する上で、介助の基本的な知識および技術を学ぶ。また、社会福祉協議会の職員や学校の教員等が、ボランティア養成の講習会や福祉教育を行う上での参考図書としてもご利用いただきたいと思います。 本書を通じて、多くの市民や企業・事業所の従業員の方々が、高齢者や障害者に対する正しい知識や適切な接客・接遇技術を学ぶとともに、私たち一人ひとりが、できることを理解し行動する中で、全ての人々が住みやすい社会を築いていくためにご活用いただければと思います。