◆概要◆
今、わが国では、子どもや女性への虐待や暴力が増加してきています。都内の社会福祉施設の利用者にも虐待や暴力の被害を受けた方々が増えています。そしてその背景にはポルノ被害があるということが明らかになってきています。本書では、性暴力とポルノ被害について、最先端の研究実践に福祉現場からの証言を加えて分析し、今後の被害防止と被害者支援の取組みの必要性について、鋭く提起しています。
商品詳細
◆目次◆
発刊にあたって はじめに 性暴力被害者の語りとそれを聴き伝える意味について 宮本節子 ●第1章 ポルノとは何か、ポルノ被害とは何か 第1節 性暴力としてのポルノグラフィ 中里見博 第2節 ポルノ被害とはどのようなものか 森田成也 第3節 商品化される性暴力――暴力ポルノの実態 山本有紀乃 第4節 盗撮と強撮の実態 森田成也 ●第2章 当事者の声と支援者の声と 第1節 当事者は語る 1.ポルノ・性風俗の世界で生き、見えてきたもの 2.盗撮の被害を受けて 第2節 支援者の声――女性のための支援施設から 1.母と子を助けたい 2.退所後の彼女たちと支援者の苦悩 3.性暴力を受けた母、ポルノ被害を受けた長女 4.知的障がいをもつ女性の売買春による被害 5.女性のための支援施設で出会う女性たち 第3節 支援者の声――子どものための支援施設から 1.幼い子の施設での事例 2.子どもたちと性暴力 3.現場で観察される子どもたちの性をめぐる状況 4.児童福祉施設から見える性被害の実態 第4節 支援者の声――その他の施設から 1.生きる(支えつつ支えられる) 2.医療と福祉を兼ね備えた被害者支援センターを 3.被害者のために行政の窓口でできること 4.島で暮らす知的障がいのある女性たち ●第3章 被害防止の可能性を探る――法、性教育、技術の各視点から 第1節 「わいせつ」アプローチから「人権」アプローチへ――ポルノに対する法規制の革新 中里見博 第2節 売買春をめぐる論議と包括的性教育の課題――セックスワーク論の問題点にふれながら 浅井春夫 第3節 現代社会の技術革新とポルノ――その対策を探る 宮崎豊久 ●第4章 被害者支援の取り組みとその展望――女性のための施設と医療の現場から 第1節 社会の「ポルノ化」と「貧困化」の同時進行――女性福祉の根幹としての買春防止法を 堀琴美 第2節 いつまでも続く女性への性暴力と現場での取り組み――婦人保護施設の歴史と現在の課題 横田千代子 第3節 暴力ポルノと児童ポルノに抗する――性と生命の尊厳を取り戻すために 白川美也子 ●あとがき