東京都地域公益活動推進協議会(以下、推進協)は、平成28年9月に設立され、6年目を迎えました。
社会福祉法人に対して、内部留保金やイコールフッティング論などが取り沙汰される中で、課税に関する議論が持ち上がったことは昔のことではありません。
一方で、社会福祉法人は、福祉サービスの主な担い手のみならず、地域の福祉二ーズや生活課題に対しても取り組んできましたが、それが充分には認知されていませんでした。
そのような背景のもと、推進協は、社会福祉法人が一致団結して、専門性を活かし、地域の福祉ニーズに応えるとともに、社会福祉法人の公益的な取り組みの見える化、情報発信を行い、社会福祉法人の存在意義をアピールしていくことを目的に立ち上がった組織です。
推進協は、社会福祉法人が行っている地域公益活動の見える化を推進するため、その取り組みを推進協ホームページに掲載してきました。
令和3年3月末時点で、247事例(法人92事例、ネットワーク155事例)掲載しています。
また、実践発表会を開催してその取り組みを共有したり、フェイスブックによる推進協事業の情報発信を行ってきました。令和元年度に発行した「ゆるやかに紡ぐ~社会福祉法人の地域における公益的な取組み~」に続き、コロナ禍の社会福祉法人による地域公益活動をまとめた冊子を発刊することとなりました。
新型コロナウイルス感染症は、社会福祉法人が行う地域公益活動にも大きな影響を与えました。
これまで地道に実践を重ねてきた取り組みは、試行錯誤しながら継続、新たな取り組みも広がっています。
本書の事例は、令和2年度に2回開催した「コロナ禍の地域公益活動を考えるオンライン実践発表会」の内容を元に編集して掲載しています。
また、「買い物ツアーかわせみ」の取り組みについて、マンガによる表現を試みています。
編集については、実践発表会のコーディネーターを務めていただいた東京都立大学名誉教授の小林良二先生に多大なご協力をいただきました。
この冊子から"コロナ禍の地域公益活動"の姿を感じていただければ幸いです。